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日産GT-R(R35)試乗その後

2016/08/03

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ぼくが今まで所有した車のうち、もっとも長い期間所有したのはフェアレディZ(Z32)です。乗り潰す覚悟まで決めていましたが、ある日、出先で車を停めて、戻ってきたときに993カレラが横に停まっていたのですね。そのときの感覚は良く覚えていますが、宝石のような輝きを放つ993カレラに対して、ぼくのZはなんとも貧相に見えたわけです。

当時のぼくは国産ハイパワー車が世界最高だと信じていましたのでカレラには興味がなかったのですが、その一件以来Zが色あせて見えるようになったのは事実です。つまるところ、それが車の放つ「オーラ」であると思っていますが、その意味ではGT-Rは、現在のところそうとうなオーラを放っているように見えます。それはなんとも形容しがたいボディ形状やその大きさ、鈍い輝きを放つブレーキキャリパー、意外と細やかなつくりによるものだと考えていますが、正直カレラに乗っているときには(たとえ渋滞していて、抜き去られ置き去りにされる心配が無いとしても)横に並んで欲しくない車だと思います。はっきり言うと、パフォーマンス面のみならず、それが放つオーラという面においてもGT-Rを恐れているわけですね。
しかしながら、確実に言えることは、GT-Rに感じている魅力のうち大きな割合を占めるのが「価格」であることは疑いようのない事実です。端的に言えば、仮にこれが911ターボと同じ価格であれば(もしくは911と同じ価格であっても)選択肢にも入らないであろう、ということです。

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GT-Rに関連して、ぼくが懸念していることが、大きく分けて2つあります。

まずひとつは、GT-Rの方向性が今後大きな流れの一つになるのではないか、さらにはポルシェもそれに追随したらどうしよう、ということです。1989年にはじめてトヨタ・セルシオが世に出たとき、ポルシェのエンジニアをして「このような車を造りたかった」と言わしめた、という記載を見たことがありますが、ポルシェのみならずメルセデスやBMWに与えた衝撃は相当なものであったようで、その後高級車の流れが変ってしまったことは有名ですね。なので、今回も以前の「セルシオ・ショック」同様に「GT-R・ショック」が業界を席巻したりするのでは、と考えたりするわけです。そして、それはぼくが考える好ましい方向ではなかったりするのです。

もうひとつはGT-R本体に関すること。日本車は、発売すると基本的に改良をあまり重ねずに放置する傾向にあります。なので、「新車効果」が薄れると、どんどん販売が落ちてゆくわけで、メーカーも最初からそこを織り込んでいるわけです。古くは国産において「ディアマンテ」がモデルイヤー制を採る、と公言しましたがあまり変化はありませんでした。Z32フェアレディもほとんど変化が無く12年ほどもダラダラと製造されましたし(そのような事態になるのなら、いっそ早く生産を打ち切った方が車のイメージを守るには良かったのに、という意味が込められています)、NSXも同じです。なので、いわゆる「正常進化」というものが国産車においては非常に少なく、使えるところは使い回して、外観だけを新しくしてしまう、または同じ名前なのにモデルチェンジを契機にまったく違うコンセプトの車になってしまった、ということが多々あるわけです。GT-Rについては、2世代目というかR32のころから「ターボ四駆」というパッケージを採用し、それはR35にも受け継がれていますが、パワーで200馬力、価格もそのぶん上昇してしまいましたので、モデル生息域としては以前とはまったく異なるところにいるわけです。それでもまだ、他の日本車と比べると「正常進化」の範囲だとぼくは認識していますが、このGT-Rも、セールスが落ち込んできたときに日産が見切りを付けて(モデルイヤー制ながらも)手を加えなくなってきたときが怖いのですよね。そうなると、GT-Rに乗る人としては寂しい限りでしょうし、「モデル名存続のために」ダラダラと生産が続けられることだけは避けて欲しい、と思うのです。現在、GT-Rは圧倒的とも言える(対価格比)パフォーマンスを誇りますが、技術は日進月歩であり、ターゲットとしてきたポルシェはすでに7速PDKを搭載し、997ターボIIでは確実にGT-Rを上回るパフォーマンスを発揮してくるでしょう。それに対してGT-RはMY09としてはレッドゾーン引き上げの5馬力増加、しかもその他大きな変更はなく値段が80万円アップ、ということで徐々に魅力が薄れてくるわけですよね。そんな中、GT-Rの輝きを維持するために、日産がどのような努力をしえるのか、ポルシェのように不断の努力と改良を続けていってくれるのか、というところがぼくの懸念であるのです。仮にメーカーがその努力を怠ると、入れ替わりの激しいハイパフォーマンスカー市場において一気にランキングを落として輝きを失ってしまうのは明白ですし、そうなると誇りをもって運転できないのです。

極端な話、車を買うことでライフスタイル自体がガラリと変ることもあるわけです。良い意味も悪い意味も含みます。今までスポーツカーに興味が無かったのにスポーツカーを購入してその道に目覚める人や、オフ4でアウトドアアクティビティに目覚める人、アメ車を購入した途端アメリカンライフに目覚めて「オイラのことはジョニーと呼んでくれ」などとトチ狂ったことを言い出す人など様々だと思いますが、ぼくは、そういった自分に多大な影響を及ぼす車が好きです。ぼくが常に変化を求めるのはときどきエントリーしている内容でもわかると思いますが、経済状況が悪化する、ということも含めてGT-Rを購入すると生活になんらかの影響があることは必至です。

ここ2週間ほどGT-R関連ネタで過ごしてきましたが、それはつまりGT-Rがぼくに及ぼした影響(GT-Rショック)が非常に大きい、ということを物語ります。参考までに今まで運転した車で印象に残るのはアストン・マーティンのステアリング、ペダルの剛性の高さ、そして精密さ。レクサスIS-Fの加速。ホンダ・シビックタイプR(現行)のダイレクト感。これらは感覚として記憶していますが、やはりもっともズドンと響いてぼくのなかにいつまでも残ったのは997カレラ。だからこそぼくは急遽997を購入したわけです。運転しているときは欲しくなったけれど降りて自分の車に乗り換えたときには購入意欲を失ってしまったのは日産フェアレディZ、マツダRX-8。心理的に何か影響を及ぼしたのはR35GT-RのほかにはBMW Z4。このあたりは後日詳細をUPしようと思います。

試乗に際して、思い出したことを書き留めておきます。運転中は、けっこう轍に取られやすい、ということが気になりました。同じ道を通っても、カレラではありえないことです。また、ブレーキは良く効きますが、同じようにブレーキング時にも轍に取られることがあるのですね。これはハイグリップタイヤの性質やタイヤ・ホイールの重量によるものなのか、サスペンション自体の構造やセッティングに起因するものなのかは不明。以前にZ3でも同様に感じたことがありますが、その際は軽量ホイールへ交換することでおさまりました。

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