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F56ミニクーパーS(初見と試乗、インプレッション)~6

2016/09/21

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すこし話が逸れましたが、とにかくF56は市場とユーザーを徹底分析し、「ユーザーが求めているもの」を作ること、そして「該当ユーザーが求 める で”あろう”もの」を形にしたものだと思われます。
顕在化した需要を満たすとともに、潜在需要を開拓することも考えたわけですね。
ただし、それは「走り」というBMWが考えたものではなく、現状の分析に基づいた「ユーザーが本当に求めるであろうもの」でもあります。

しかしながらミニに対して「走り」を求めるユーザーがいることも確実で、それはオプションやJCWで対応してゆくのかもしれません。
今回は可変ダンパーなど走り系オプションがラインナップされますし、従来に比べるとJCWの発表時期がベースモデルの発表時期と近くなってお り、JCWも「ラインナップの一つ」と認識させることで選択肢を広げていると考えられます。

通常モデルは快適性や楽しさを増してより間口を拡げ、それに飽きたらない人はオプションで補完し、それでも満足しない人にはJCWがあります よ、という感じですね。

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ミニは自らが創った市場を、さらに「拡大」するための戦略をたてており、そのための「基本」がF56と考えています。
人々が「ミニをミニたらしめると考えている要素」をさらに強調して表現することで「今まで以上にミニらしいミニ」、そして「それ以上のミニ」 がF56なんじゃないか、と思うわけですね。

なので、今後登場する5ドアやクラブマン、次期クロスオーバーは、こういった考え方を反映し、「ミニらしい要素が満載の」「しかしユーザーに 対してそれぞれの使い方、楽しさを訴求できる」モデルになるだろうと期待しています。

もはや、人々が車を選ぶ基準は「機械=ハード」ではない、と思うのですね。
性能的なことを考えると、現代では技術が進歩したために実用域ではどの車も同じで、「そのメーカーでしか持ち得ない技術」というものが少なく なり、技術差も些少です。
しかしながらその車の持つイメージ、ブランドイメージ=ソフトというのは大きく差があり、そこが今の消費者が求めるところなんじゃないか、と 思うわけです。

「モノ」から「コト」という話はよくなされますが、自動車そのものよりも、自動車によってできること、体験する内容のほうが今は重要なんだと 考えています。
先に挙げたスマホも「ハードよりもソフト(アプリ、サービス)」が普及の鍵ですし、ブランドバッグや時計もそうですよね。
バッグだと質実剛健なアウトドアブランドのほうが実用的ですが、それでもいわゆる高級ブランドのバッグは人気です。
腕時計でも実用だとデジタル時計が優れていると思いますが、なぜわざわざ機械式腕時計を買うのか?ということです。
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そこでぼくらが求めるのは実用性一点だけではなく、ブランドの持つイメージ、それを共有する満足感などを求めているからなんだと思います。
その他、他人にアピールしたい、自己表現の手段など、色々な要望があるはずです。
だからこそ、世間にはいろいろなブランド、価格帯の製品があり、うまく共存できているのでしょうね。

自動車は本来「機械」として捉えられてきましたが、機械としては成熟期を迎えているので、ここからは「ブランド」の持つ価値で勝負する必要が 出てくると考えられます。
昔は「壊れずに走る」という基準で選ばれた時代もあったかもしれませんが、今はどのメーカーでも壊れずに走り、燃費もよく、高速走行性にも不 満はありません。
一定の基準が消費者の求めるレベルを満たしてしまったので、それ以上の機械的レベルを追求しても消費者が「ついてこれなくなる」可能性がある わけですね。

よくメーカー側の心理で「いいものを作れば売れる」というものがあり、家電でも天井知らずにスペックがインフレしますが、一定以上の機能にな ると消費者はそれを求めなくなるので、その段階を超えると「シンプルなものが売れる」現象が発生します。
今の市場では、メーカーがけん引するのではなく、消費者が主導権を握っていると言えます。
技術が発展している段階、モノが無い段階では「メーカー主導」で市場が形成されるのですが、技術が一般化するとそこからは技術以外の差別化が 必要なのですね。
それが「ブランド価値」と言えます。

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