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ランドローバーの戦略について考える

2016/09/12

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ランドローバーはタタに移ってから、ずいぶん積極的に展開を行なっていますよね。同門のジャガーも同様です。

売却後にうまく立ち直ったブランドもあれば、そうでないブランドもあるわけですが、ランドローバーは紛れもなく前者に分類されます。
きっとタタだからこそよく見えたこと(冷静にランドローバーを見ることが出来た)もあり、そのために適切な展開ができた、というのもあったので しょうね。
売却当初はイギリスにて生産を行うということでイギリス政府の援助を受けたと記憶していますが、それもあって、タタはずいぶんランドローバーを安 く手に入れた、とぼくは考えています。

その後イヴォークが登場するわけですが、これはフリーランダー2のプラットフォームにフォードのエンジン、よくある6ATトランスミッション、ハルデックス4を組み合わせてつくった、「高利益率」車種になります。
つまりは開発費用がかなり小さいものである、ということですね。
既存パーツを使い回してデザインのみに注力したと言っても過言ではないのですが、これが現代の風潮とぴったりマッチした、と考えられます。

通常(というか今までは)、車は性能で選ばれる側面があり、そのためグレードをいくつか展開するにあたっても走行性能に差をつけることが通常で あったわけですが、イヴォークの場合は3つのグレードどれも走行性能は同じ。外観と内装の差だけ、という自動車にとっては珍しい展開です。
これは「イヴォークは走行性能ではなく、スタイリングを売り物にしていますよ」という主張でもあると思うのですが、一方ではこれも「コストを抑え ることができる」という側面もあるわけですね。
逆に、走行性能を売り文句にして、そこへお金をかけていたら、イヴォークはここまでの成功は収めることができなかったと考えられます。
SUVを購入する人のほとんどは悪路を走りませんし、今は他のメーカーでも走破性の高い4WDシステムを持っていますので、性能をアピールした所 で消費者には響かない、またほかメーカーと差別化出来ない、といった現状があるのですね。
であれば、誰が見ても分かる「デザイン」というところで差別化するのがもっとも有効と踏んだのだと思われ、それが成功の大きな要因であったことは 間違いないはずです。
より少ない投資で、より大きなリターンを得られるのは何か?ということですね。

とにかく、買収時のコストを少しでも取り返す必要があるので、今までの資産を利用して、少しでも安く開発でき、少しでも高く売ることができる車を 開発する必要があったわけですが、それがイヴォークと言えます。
つまりイヴォークは新生ランドローバーにとって非常に重要な車であったわけですが、そのためにプロモーションにはかなり力を入れ、そのプロモー ションに見合ったルックスを持っています。

車を性能ではなく見かけで選ぶ、という人たちに絞った展開ですが、それが見事に奏功したものと考えられます。
また、一部樹脂の採用、軽量化、FFやディーゼルの投入、回生ブレーキの採用ということで時代の求める「エコ」にも対応したということもトピック で、「変わろうとする」ランドローバーをうまくアピールできたものと言えるでしょう。

さて、イヴォークがヒットした今、ランドローバーは資金に余裕ができてきたわけで、今後に向けて「投資」できるわけです。
まずは、メインマーケットになりつつある中国で「安く」作って売れるように、中国にて生産工場を稼働させること、がベースプランになるかと思いま す。
ここで安価に製造された車は、新興マーケットに回されるのでしょうね。

その次には、イヴォークのデザインエッセンスを盛り込んだ車種の展開で、これはレンジローバー、レンジローバースポーツを見ると明らかですね。
ほかにはイヴォークXL、イヴォークカブリオレ、イヴォークミニ、と続くと想像出来ます。

一方ランドローバーブランドでは、ややワイルドなルックス、たとえば先に発表されたDC100のような、「道具」感あふれる、レジャーテイストの 強いモデルの展開を予定しているようで、こちらも期待がかかりますね。

ぼくが言いたかったのは、より少ない資金とリスクでより大きなリターンを得ることが出来る方法を採用し、かつその方向性をレンジローバーの最大の 特異性である「走破性」としなかったこと、が今までのレンジローバーとは異なる、ということです。
そして、成功を収めた後のビジネスプランをしっかり持ち、次の手を休まずに打ってきている、ということです。

こういった「変化」が実現できたのは、やはり買主であるタタの影響が大きいと考えられますし、考え方ひとつでブランドというのは結果が大きく変わ るのだろうなあ、と考えたりもします。

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