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くらやみの速さはどれくらい

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エリザベス・ムーン著「くらやみの速さはどれくらい」。

21世紀版「アルジャーノンに花束を」と称されるように、自閉症患者が新しい治療法によって健常者=ノーマルへの道を選ぶ過程を描写した物語であります。
主人公のまわりには、自閉症としての彼を理解する人とそうでない人がいて、彼を受け入れる社会とそうでない社会、自閉症者と健常者、自閉症は克服すべき試練として神から与えられたものという解釈とと、であればそれを治療することは神に背くことではないかという解釈、神はそもそも自閉症という重荷を背負わせるはずが無く、治療によって本来の姿を取り戻すべきである、といういずれも相反する考え方をもとに話が組み立てられています。

「アルジャーノン~」の場合は、イノセントな世界にいることができた自分が健常者となることで「現実社会」における“知らなくても良かった”苦労を背負い込む様が描かれましたが、本書では少し観点が異なり、“なぜ治療しなくてはいけないのか”という主人公の悩みを中心に話が進んでゆくわけですね。

「暗闇は光が無いところのものです。光がまだそこに来ていませんから。暗闇はもっと早いかもしれない」。

健常者であることが光で、自閉症者であることが暗闇なのか、もしくはその逆なのか。

多くの人は後者という捉え方をするかと思いますが、こればかりはわからない、と思います。

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