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奇人変人、ウィリアム・ベックフォード

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ぼくは子供のころから偉人や奇人の話が大好きなのですが、ここで奇人を一人紹介しようと思います。「世界で最も裕福な御曹司」と言われたウイリアム・ベックフォード。日本ではゴシック小説「ヴァセック」の著者として有名ですね(しかも母国語ではないフランス語で執筆)。

ラテン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語を操り、モーツァルトにも楽曲を提供したと言われている彼(これは一般にはウソと言われるが、それでも話に残るほどなので、それだけの実力は持っていたということだと推測)。作家、書籍・美術品収集家、政治家、ダンサー、声楽家、音楽家としても活躍したそうです。

まあとにかく、それだけでは奇人ではなくて才人なわけで、彼をもって奇人たらしめているのは「建築オタク」という側面です。それも長さ11メートルに渡る壁を築いた邸宅や、当時としては例を見ない84メートルの塔(9年の歳月を経て倒壊を繰り返し完成)を築く、「巨大建築物オタク」ですね。

塔に至っては倒壊の知らせを受けたときに「崩れ落ちるのを自分の眼で見られなかったのが残念だ」と言い放つだけの余裕を見せたらしく、懐の深さも一級品です。収入が減少し塔を売却した後も地方へ移り住んでまた巨塔を建てるという奇行を行い、これは現在も観光名所になっているそうですね。

一時は無尽蔵に近い不労所得を誇り書物や芸術品の収集家であった彼は「わがコレクションに二級品の入る余地なし」などという名言をしばしば放ち、「人は悲しみを忘れるために酒を飲む。私は飲まない。かわりに建築するのだ」という名言も残しています。
ぼくも言ってみたいものです。「人は悲しみを忘れるために酒を飲む。私は飲まない。かわりにアクセルを踏むのだ」、と。
ちなみにモナコ公国大公のレーニエIII世は彼の直系の子孫です。

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