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ツインクラッチ、マニュアル・トランスミッションとフィードバックについて考える

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ツインクラッチの車を運転する機会が多くなりました。そこで思うのは、ツインクラッチ搭載の車における印象について、どれも似たものになってしまっている、ということ。クリープがある/無い、といった差異こそありますが、シフトショックの少なさや1400回転くらいでポンポンと自動でシフトアップしてゆくところはおおかた同じです。パドルを使用して自分でシフトチェンジを行うこともできますが、それでもゲームよろしくスイッチ操作に止まるので、その操作感は大きく車の印象を左右しないのですね。

たとえば、クラッチを踏んでシフトノブをゲートに入れる、という動作は機械的に車を操作するわけで、クラッチが重いとか、どのポイントで繋がるとか、半クラッチがわからないとか、シフトストロークが長いとか、ギアがはじかれて入らないとか、トランスミッションが暖まるまで2速に入らないとか、いろいろなフィードバックがあるわけです。

そこで、ぼくは考えます。
その車をその車たらしめているものや、その車の印象を決定づけるものは何か。
それはやはり、直接機械的な操作を行う部分が大きな要素ではないのか、と思うのです。
シフトチェンジもそうですが、ステアリング操作もそうですね。早晩ステアリングも「たんなるスイッチ」になる可能性もありますが、とにかく今のところはパワーアシストが付いていても、機械的に直結している車が大半です。

結局のところ、人間の印象というのは、何らかの操作を行い、その操作に対するフィードバックによって決められるんじゃないか、ということですね。
たとえばドアをロック/アンロックしたとして、アンサーバックがなければ、動作したのかしたのかわからないわけです。しかしウインカーが点滅したり、電子音が鳴ったりすると、ぼくらは「ああ、ちゃんと動作した」と認識するのですね。
なので、ケーブル式にせよシャフト式にせよ、(クラッチを踏んで)シフトノブをゲートに入れるという行為にはフィードバックが伴い、ステアリングを切ると、その舵角に対応する挙動を車が示す、というフィードバックがあるわけですよね。

しかしそれらがスイッチになると、そういったフィードバックを受け取ることが難しくなり、そこに人間の感覚と実際の動作との間に乖離が生じ、それらを埋めるための補正が、どの車の反応をも均一にしているのではないか、と考えるのですね。

ぼくは機械式にこだわるわけでも、過去の消え去る運命にある方式を憂いているわけでもありませんが、今後、各自動車メーカーはどうやって差別化を図るのだろう、と考えるわけです。
今まで自動車の印象を決定づけていた様々な要素が薄れ、均一化されたときに、自動車メーカーはどこで他メーカーとの差異を主張するのか。
はたまた消費者は、どういった基準で車を選ぶのか。
そういったことを考えねばならない時代へ突入した、ということをぼくは考えているのですね。

たとえば以前にアウディが各パネルのチリを気にしていたころ、「誰もそんなものを気にしない。車は走行性能だ」と相手にしなかったメーカーもありますが、現在では消費者がどちらのメーカーを支持しているのか、ということは明らかです。
とくにアウディはそのあたりに長けているので、最近のデイライトも消費者の関心を大きく惹く装備であり、同時にブランドイメージを構築するのに重要な役割を果たしているわけですね。
つまり、以前は自動車における重要な要素として認識されなかったもの、パネルの隙間やライトがどういった光り方をするのかといったことが現在では消費者の関心を集め(といっても一般的な考え方ではないと思いますが)、支持されている、ということに時代の変化を感じるわけです。

そうなると、あと数年経つと、自動車の判断基準というものはまた新しいものが出現しているという可能性もありますし、さらに先になれば、もう今とはまったく違った基準で自動車を選んだり、自動車の印象を決定づける要素がドラスティックに転換されている可能性もあるわけです。

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