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VWアウディグループのプラットフォーム抗争について(ポルシェ派とアウディ派)

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VWアウディグループ内でちょっとしたイザコザが、という内容をUPしましたが、それについて考えてみたいと思います。

将来的にはグループ内のスポーツカー(のプラットフォーム)はすべてポルシェが設計する、という流れにはなっているようです。

ただ、ポルシェとアウディは少し設計思想がことなるところがあるのですね。
たとえばアウディは早々にオールアルミフレームに踏み切ったメーカーで、そこにブランドのひとつの核があります。
一方ポルシェは、「スチールにも可能性がある」として、設計技術によって薄肉化にもかかわらず強度を向上させながらの軽量性追求や、高張力スチールの使用による強度向上を目指しています(年々アルミの使用率は上がっていますが、基本はスチール)。

となると、ポルシェは今まで手をつけてこなかったアルミ製プラットフォーム、そしてFF(TT向け)のプラットフォームの設計も行うことになりますよね。
そうなればアウディは今までのノウハウを捨てることにもなりかねませんし、仮にTTがスチールに「逆戻り」するようなことがあれば、いかに性能が向上したとして、それはブランド的にどうか、と考えるわけです。

もうひとつ、ランボルギーニ(アヴェンタドール後継やウラカン後継)、そしてアウディR8のようなスーパーカーカテゴリにおいてはどうするのか、という疑問もあります。

ポルシェは918スパイダーを持っており、新たなるスーパーカーも発売するとされています。
あたらしいスーパーカーがランボルギーニ・ウラカン、そしてアウディR8とプラットフォームを共有するのか、はたまたポルシェの新設計によるプラットフォームを使用し、ウラカンの後継モデルとアウディRの次の次のモデルがそれを追う形で同じプラットフォームを採用するのかは今のところ不明。

もしそうなると、ウラカンの後継は「ポルシェ設計によるプラットフォーム」を採用するということになります。
ランボルギーニはボーイング、名古屋の大学などと共同し、カーボンに対しては多大な投資を行っており、これを新たなコア・バリューとして位置づけようとしています。

もちろんポルシェも918スパイダーではカーボンを使用するなど、カーボンに関するノウハウはあるわけですが、ここでランボルギーニとは対立が起きるわけですね。
ランボルギーニは今までスーパーカーのみを製造しており、そのノウハウがありますが、それをポルシェのものに置き換える、というのはブランドとしての存在意義を問われることにもなります。

ぼく的には「ポルシェが基本設計を行ったランボルギーニ」に対しては非常に複雑な感情を持っています。
どちらも非常に魅力を感じるブランドで、ポルシェの設計技術は世界最高レベルであることは十分認識しているのですが、それでもランボルギーニは「聖域」でもあり、そこへ踏み込むのはどのようなブランドであっても許されないのではないか、と思うのですね。

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ただ、グループとしてランボルギーニとポルシェが似たようなミドシップスポーツカーを別々に設計するというのは非常に非効率的になり、ここは困ったところなのだとは思います。
現実的には、ウラカン後継とR8の次次期モデルは「ポルシェ設計」になる可能性が高い、とは考えています。

現時点でもルームランプやミラー、ペダルなどランボルギーニとアウディは共有していますが、これが将来ポルシェとも共有されることは明白ですね(ブガッティ・ヴェイロンとアウディTTはドアミラーを共有)。

2012 Porsche 911 (991) Carrera S

2012 Porsche 911 (991) Carrera S

SUVについてですが、これはカイエンの販売状況、マカンのヒットを考えても、おそらくポルシェが主導権を握るのではと考えています。
ポルシェはベントレーととくに意見が一致しているようであり、グループの中でもっとも利益率の高いポルシェ、2番めに利益の高いベントレーが手を組んだとすると、これは無敵だと思うのですね(実際のところ、ポルシェとベントレーはVWアウディの設計するSUVプラットフォームには欠点があると指摘している)。

また、SUVは剛性の関係上アルミ化するのが難しいと考えられ、スチールに強いポルシェにとっても本領が発揮できる分野だと考えています。

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つまり、ベントレーやランボルギーニ、アウディのSUVも、今後はずっと「ポルシェの設計による」プラットフォーム(MSB含む)を使用するのではないかということです。
なお、グループ内SUVの生産においてはVWの工場で行うようで(ランボルギーニもここで行うと報じられている)、今後は「ポルシェの工場」「アウディの工場」「VWの工場」という垣根が崩れ、VWアウディグループの工場として全てが機能するようになり、スポーツカーであればこの工場、セダンはこの工場、SUVはこの工場、というように分かれる可能性もありますね。
つまり同じラインでランボルギーニやアウディやポルシェが作られる、ということです。
それはそれで効率的なのですが、工場の生産キャパシティを超える受注があった場合はどのブランドを優先するかでは問題が起きそうですね。

単価の高いものを優先するのか、利益率の高いものを優先するのか、記録がかかっているブランドを優先するのか、ライバルに勝つ必要があるブランドを優先するのか。
このあたり、グループトップの舵取りが必要になりそうですが、どれを優先しても遺恨は残りそうです。

セダンにおいてもスポーツカー同様の問題があり、スチールに強いポルシェ、アルミフレームにこだわるアウディとの間で一悶着ありそうですね。

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ポルシェの場合はコストにこだわりスチールを使用するのではなく、「スチールのほうが良いから」という理由でスチールを使用していると思われます。
その裏付けとして、裏から見ると、アルミやマグネシウム等高価な素材が惜しみなく使用され、サブフレーム等剛性向上パーツがやたらと使用されています。
つまり適材適所という考え方で自動車トータルを見ていると思われますが(必要な部分にはアルミを使うがそうでない部分には使わない。スチールは強度向上の観点から必要)、アウディの場合は一番重いフレームをアルミにしてドカンと重量を落としてしまおう、という方向性ですね。

なお、ポルシェは通常目に見えるところはけっこうチープだったりするのですが(特に内装)、裏から見ると異常にお金がかかっていることがわかり、「この作りでこの金額はバーゲンなんじゃないか」と思えたりするのですね。
なので、ぼくはポルシェはひっくりかえして展示したほうがいいんじゃないか、と常々考えています(もしくはリフトアップするとか)。

逆に、内外装は非常に高級であっても、裏面を見ると(新車でも)錆だらけであったりとか、スチールの安っぽいパーツを使用していたり、というブランドもあります。

話を戻しますが、ポルシェとアウディ両者の間には相容れない考え方があると思われ、そしてそれはブランドの根幹に関わる部分ですので、いかんともしがたいところかも知れません。

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ただ、グループ内におけるポルシェの発言力は今後どんどん強くなってゆくと思われ、実質的にVWアウディグループがポルシェに支配されるようになるのでは、とも考えています。
とくに更迭されてしまったデュラハイマー氏(ポルシェの技術部最高責任者→ブガッティ・ベントレーのCEO→アウディCEO→e-tron開発遅れで更迭)が発言力を強め、ポルシェに再び入ったりすると間違いなくアウディはポルシェに押される形になると考えています。

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