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自動車ブランド買収によるマルチブランド化について考える

2016/10/15

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買収によって自動車ブランドの再編が進みますが、VWアウディグループが積極的に買収を行い多数のブランドを保有しているのに対し、メルセデスはあまり買収を行っていないようです(乗用車部門という意味で)。

AMGの吸収や、最近ではアストン・マーティンへの投資が話題になったことはありますが、基本的に「メルセデス・ベンツ一本」ですね。

VWアウディグループは最近ドゥカティも買収し、合計12ブランドにまで拡大しています。
下はシュコダ(安い。エントリー)から普及価格帯のフォルクスワーゲン、その上のプレミアムブランドであるアウディ、スポーツカーブランドのポルシェ、グループのイメージを牽引するブガッティ、ベントレー、ランボルギーニを擁します。

このマルチブランド戦略が奏功しており、リーマンショック以降でも営業赤字を出さずにコンスタントに成長を続けています。
とくに中国で現地法人と合弁を設立し中国での販売を伸ばしたことが大きいと考えられ、欧米での販売減少をここで補った形ですね。

中国はいずれ成長が鈍化すると思われますが、それでもプレミアムブランドを抱えているために収益は高いレベルを維持できると考えられ、世界規模で考えると「非常に強い」企業だと言えます。

また、開発費を各ブランドで分担できることも大きなメリットで、ランボルギーニ・ウラカンのアルミフレームはアウディ、もしかするとポルシェ(988)でも使用することができ、コストが大幅に下がるわけです。
ランボルギーニ単体でこれを開発・製造するとなると、年間でおよそ1500台程度しか販売できないと思われ、1台あたりの負担が相当に大きくなります。
ですがアウディやポルシェとこれを分担することで、このコストを大きく引き下げることができるわけです(なお、フェラーリは年間7,000台くらい)。

スーパーカーはもともと市場が小さく、販売台数が限られているので、いい製品を作ったとしても市場規模を拡大できる/創出できるわけではなく、しかし開発にお金をかけないと魅力が失われてしまうわけです。

そしてもうひとつマルチブランドの利点が、グループ内での売買ではないか、と思うのですね。
現在、VWアウディグループのデザインの要は「ジウジアーロ」で、これはVWアウディグループが買収したものの、ランボルギーニが保有しています。

ランボルギーニはグループのデザイン請け負ってその報酬を受取り、アウディはウラカンのアルミフレームを製造してランボルギーニに販売する、ということができるわけです。
将来的にはURUSの製造をVWアウディアウディグループで行ったり、ランボルギーニが投資しているカーボン関連工場の製品をグループに販売することもあるかもしれません。

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グループ内の売買によって「他から買わずにすむ」ために比較的安価での部品調達が可能になり、販売する方も「販売先が確保されている」ために営業活動など余分な時間とコストを掛ける必要がなくなります。

巨大グループならではのシナジー効果ですが、かなり効率的と言えますが、問題もあります。
それはブランド間での喰い合いがあること、明確な差異を出さないとマルチブランドの意味が無いこと。
現在、シュコダとVWはオーバーラップする部分もあるようです。
もちろんVWアウデイもそれはわかっていて、シュコダのある市場にはVWの特定車種を投入しないなどの戦略があるようですね。
また、VWとアウディの関係が近いためか、「アウディはVWの高級版」という捉えられ方をしている風潮もあり、VWとアウディの明確な差異というのも必要になります。

高価格帯ではランボルギーニ・ウラカン(以前ではガヤルド)とアウディR8との類似性がありますが、これは両ブランドの特性が離れすぎているのでさほど話題には上がらないようですね。
ただしガヤルドとR8は基本構造とエンジン、トランスミッションが同じということもあり、次世代のR8では、同じ世代での兄弟となるウラカンと差別化が図られる可能性もあります。
特定市場(中国ですが)では大排気量に課される税金が高いということで、中国重視のアウディはR8の拡販のためにもR8に小排気量ターボを積むかもしれません。

現在開発中とされる「ポルシェ988」もウラカン、ランボルギーニの兄弟車となりそうですが、こちらは「フラット8(フラット4×2)」を積むことで、もしかしたらハイブリッド化することで差別化を行うのではないかと考えています。
現在のポルシェのコア・バリューは「ハイブリッド」「フラット4+ターボ」で、これは918スパイダー、ル・マンに参戦した919ハイブリッドにも代表され、ここでポルシェはたとえウラカン、R8と同じプラットフォームを使用していても「紛れもないポルシェ」であることをアピール可能となるわけです。

そういった意味では、VWアウディは非常に上手に各ブランドを使用して相乗効果を上げていると言えますね。

なお、BMWもあまり買収を行わないブランドですが、過去にはスーパーカーを作る技術を得るためにランボルギーニに投資したり(それでM1を作った)、SUvを作るためにレンジローバーを買収したり(これでX5を開発)ということがありますが、いずれもBMW本体というかBMWブランドのためですね。

例外はミニとロールス・ロイスですが、他のブランドに食指を動かすという話はあまり聞きません。
ミニ、ロールスともに収益力の高いブランドと思われ、ブランドビジネスの価値を理解しているはずですが、やはりBMW、ブランドを強力に押し上げてゆくことがトッププライオリティなのだと思います(集中と選択ということを考えると他に投資するよりもBMW本体に投資)。

「伝統はないが金はある」インドのタタはジャガー・ランドローバーを買収して成功を収めていますし、もしかすると今後はお金のある中国企業が欧米の伝統あるブランドを買収し中国メーカー化する可能性もありそうです(そういった話もよく聞きますが)。

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