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けっこうカルチャーショックの大きかったドバイ。聞くのと見るのとでは大違いの印象を述べてみる

2017/03/28

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さてドバイ。
ぼくにとってドバイははじめて訪れる地となります。
今まで何度か訪問したいとは考えていたものの、とくに訪問すべき理由も無く、なかなか行くことができなかった地でもありますね。

ドバイというと「オイルマネー」で、砂漠の真ん中に雪を降らせるスキードーム、世界一の高さを誇ったブルジュ・カリファ、人工衛星から見える唯一の人工島であるジュメイラ・パームビーチなどが有名。
とにかくお金を湯水のようにつかう、というイメージがあります。

しかし、2010年に上海万博を訪問した際、サウジアラビアやイラクなど中東のパビリオンを訪れて考えを改めたのが「中東に対するイメージ」で、それまでぼくは中東というと、石油という自然に湧いて出る資源を生産調整にて価格を吊り上げ、そのお金で遊びまくっている、と考えていたわけです。

ですが、いくつかの中東パビリオンを訪れ、共通のテーマとして掲げていたのが「脱石油」。
要は、中東はつい何十年か前までは真珠採取や裸で海に潜って魚を取るような貧しい国だったものの、石油が出て生活が一変。

さらに世界はモータリゼーション一色ということで一気に石油の価値が上がりお金を持つようになったわけですが、そこでふと心配になったのが「将来石油が必要とされなくなったとき、石油が枯渇したときにまた裸で海に潜る生活に戻るのか」ということ。
そこで石油に依存しない経済、石油が無くても必要とされる国を作ろうと考え、中東諸国が行動してきたということです。

てっきり遊んで暮らしていたと考えていた中東ですが、実は未来を見据えて堅実に努力していたのだということに衝撃を受け、それ以来ぼくは中東に対する考え方を改めるようになりました。

現在ドバイのGDPに占める石油産業の割合は1%台と言われ、「脱石油化」が奏功している、と言えます。
いまドバイの経済を支えるのは「金融」「流通」「観光」ですが、完全世襲制にてドバイを治めるマクトゥーム家が相当に優秀であることがわかりますね(同じ石油産出国でも、独裁者が支配し戦争に明け暮れる国もある。条件は同じなのに、統治者の能力でその国が反映するかどうかが決まる、という例)。

ちなみに2016年の人気渡航先の4位はドバイ、現地での消費額No.1はドバイ、航空機の発着数ナンバーワンはドバイ国際空港。
つまりはドバイはその目的を達し、石油なしでも国家がお金を生み出すシステムを構築したと考えて良さそうです。

前置きが長くなりましたがドバイ。
アラブ首長国連邦に属する都市のひとつで、とにかく「お金持ち」で有名。
通貨はアラブ首長国連邦統一の「ディルハム」で、Dhと表記されています(現地では”ダラー”と言っているように聞こえる)。

印象としてはホテルやレストラン、(ドバイは免税ですが)ブランド品の価格は日本並みから1.5倍くらい、地下鉄やタクシーなど現地の人の生活に関わるものの価格は日本の半分くらい、という印象。
食べ物は飲食店で食べると高いですが、スーパーなどで買うと安価。
もしくは地元民向けのレストランも安価ですね。

平均気温は30度くらいですが7月~8月では最高気温の平均が40度を超えるなどまさに「灼熱」。
ベストシーズンと言われる1月~3月で最高気温が平均27度、最低気温の平均15度くらい。

日本との時差はマイナス5時間で、欧州ほど時差はなく、エキゾチックな雰囲気を楽しむにはまずまずの好条件と言えそうですね。
ただし日本からの飛行時間だと東京/大阪とも10~12時間ほどかかり、もうちょっと我慢すればヨーロッパに届くというくらい。

言語に関しては移民や外国人が多く、だいたいのところでアラビア語と英語が併記され、英語はどこでも通じるという感じです。

宗教によって厳しく色々なものが制限され、お酒は厳禁。
婚外交渉も厳禁(外国人でも逮捕されるとのこと)、風俗も厳禁。
よって治安は相当によく、美人局や風俗絡みのトラブルは皆無と言って良さそう。

タクシーは免許制できっちりメーターを動かしますし、多くの飲食店では価格を明記しているのでまず安心。
現地の人々は戒律によって盗みをすることもなく、とにかく安全というイメージもありますが、ドバイの70%くらいは外国人なので安心しきってしまうこともできません。

なおタクシードライバーの着ている服のきれいさや料金の正確さ(ボラない)はその国の民度を表していると考えていて、これらがしっかりしている国はまず安心。
ドバイやアブダビではタクシードライバーもノリの効いたシャツ(制服)を着ていて清潔感があります。

面白いのは、街を歩く人々のほとんどが「男性」。
だいたい観光地へゆくと女性だらけだと思うのですが、ドバイは女性を外で見かける機会は非常に少なく、これは女性の労働奇怪が少ない(というかお金持ちなので働く必要がない)のかもしれません。

中東では一夫多妻制の国があったり自転車や車に乗ることを女性が禁じられていたり、人前で顔を見せることも禁止など、女性の権利が著しく制限されているように思っていたのですが、これも現地へ来るとちょっと印象が変わります。
というのも、女性が「してはいけないこと」については代わりに男性がするのが当然とされており、要は「男性が女性を守る必要があり、女性は何もしなくていいように」という考え方が根底にある模様。

たとえばエレベーターにぼくが乗っていて、途中から現地の(もちろん知らない)女性が乗ってくるとしますよね。
そうすると女性はすっとエレベーターの奥に入り、ドアを閉じるボタンを押すのも(男性である)ぼくの役割で、しかも「何階ですか」と聞いて女性が行きたい階数のボタンを押すのもぼくの役割。

つまり、中東の女性は「なにもしなくても男性がすべて行ってくれる」ように習慣づいており、明らかに外国人のぼくを見ても、現地の女性はそうやってエレベーターに乗って「女性の権利」を自然と行使することが身についている、という印象を受けました。

その様子はむしろ男性に権利を奪われているというよりは「男性を従えている」のに近い印象を受け、これも「聞くのと見るのと大違い」と感じた部分です(ただし家の中のことは女性が責任を持って行っているのかも)。
なお一夫多妻制ということについても、多くの妻を抱える女性はそれだけ経済力があるということに加え、「それだけ多くの女性を守れる」ということなんだろう、とも思います。

ドバイでは交通網もよく整備されておりメトロやタクシーで問題なく移動でき、道路を横断するときも横断歩道に立っていればまず最初に北車が停まってくれます。
このあたり日本のほうが殺伐としている感じですが、こちらがきちんとしていれば、ドバイの人も礼節を持って対応してくれるという印象があり、決まり事をしっかり守ること、マナーの重要さを感じるところではありますね。

男性にとってはとくに気をつけるところはありませんが(サウナなどでも前後をタオルや水着で隠す必要がある)、女性は肌の露出などが制限されるので色々と面倒かもしれません。

フェラーリ・ワールド(アビダビですが)ですら、服装については「礼節を守って」という記載があるので、外国人に対してもある程度の制限を行うケースも多いようです。
ただし外国人は「自分たちと違う」と認識しており、「異教徒だから」と排除することはなく、比較的外国人に対してはフレンドリーですね。

ちなみにドバイの休日は「金曜日と土曜日」。
日曜日が休みというのはもともとキリスト教圏の「休息日」から来ていると思いますが、イスラム圏のドバイではもちろんそんなことは関係なし。

しかも金曜日の午前はほとんどのお店が閉まってしまい、なんとメトロも運行を停止するほど。
大きなショッピングモール(外国人対象)だと開いていますが、基本的にその他は休んでいるので、ドバイを訪問する際は「金曜日と土曜日」は予定から外したほうが良さそうです。

ドバイには日本人がかなり多いと聞きますが、実際に見るアジア人は「中国人だらけ(在ドバイ日本人はビジネスマンが多いのかも)」。
かなりマナーが悪いのはどこでも同じで、割り込み、大声で話す、などやりたい放題。
朝食ブッフェでも食べきれないほど食べ物を皿に取り、それらを平気で残したり。

ただそれらは民族性なので非難する気はなく、ぼくがここで気にするのは、ぼくら日本人も「中国人に見られる」こと。
どこへ行っても現地の人やお店の人から「ニイハオ」と声をかけられ、完全に中国人扱いです。
おそらくは現地でも中国人の評判は良くないはずで、それと一緒に見られる、というのがちょっと嫌だなあ、と思うのですね。

なお現地では民族衣装の人も多く、そういった人は当然ですが非常にお金持ちと考えられます。
面白いのは頭にスカーフのようなものを巻いている人も多いですが、野球帽(キャップ)をかぶっている人も。

どんなところでも服装の制限(過剰な露出はアウト)は無いようで、ぼくはずっとスニーカーにて通しています。
Youtubeなどでドバイのリッチな人を見ていると「ナイキのピチピチジャージに派手なスニーカー」というスタイルなのでぼくもそれを真似たわけですが、万事これでうまく行った感じです。
とくにスニーカーは好評で、「どこで買ったのか」と何回か聞かれたり。
雰囲気的にはナイキのエアフォースⅠ、しかもゴールドやレッドを履いておくとまず間違いなさそう。

ほかにちょっと奇妙なのは、身分証明としてパスポートがあまり通用しないこと。
むしろ「運転免許証」を要求されるこの方が多く、日本語で書かれていて内容を理解できないはずなのにあちこちで「免許証」を身分証明書替わりに要求されたりします。

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