●コラム/近況

現在復調の兆しを見せるマクドナルド。なぜ販売が一時落ちたのかを考える

2017/05/21

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マクドナルドの「裏メニュー」が微妙に売れ行きが良い模様。
ようやく復調の兆しが見えているマクドナルドですが、ここへ来るまでは「出口の見えない」闇の中にあり、7年ぶりに営業減益を出したり、とかなり苦しい状況に。

この減益の理由のひとつは「100円マック」が理由と言われ、100円マックを買いに来る消費者ばかりが増えて客足は伸びたものの、客単価が下がった、ということです。
つまりは自社の安価な商品が、自社のより効果(高利益)な製品を侵食してしまった、ということになりますね。

前社長の原田氏は創設者の藤田氏に変わり2004年に現職へ就任していますが、藤田氏のとった安売り”バリューセット”戦略を見直し、高価格路線 へとかじを切ったことで注目を集めました。
社内的にも効率化を進め、現場についても「唯一製造工程が他と異なり、製造効率が悪いから」という理由で消費者の支持が厚かった「チキンタツタ」 を廃止にするなど、かなり思い切った戦略を取っています。

初代の藤田氏が「日本人にハンバーガーを食べさせまくって、日本人全員を金髪にする(=アメリカナイズする)」という目標を掲げ、「感性」に基づ いた経営を行なっていたのに対し(従業員の妻の誕生日には、花束進呈と”奥様ボーナス”があった)、原田氏は効率とマーケティングに基づいた「理詰め」の経営と言えます。

100円マック戦略は、”それを求めて買いに来た客が、他の製品も買って帰るだろう”という「スーパーの目玉商品」的な戦略ですが、実際のところそれが外れてしまった、ということになります。
安売り戦略を否定して社長に就任した原田氏が、再度(その前社長と同じく)安売り戦略を採用せねばならず、しかしその結果として前社長よりも業績が下回りそうだというところは何かの皮肉のようですが、「安いものを”より安く見せた”=バリュー戦略=お得感があった」戦略と、「安いものを安いものとして売った=100円マック」の違いのようにも思えます。

話はかわり、もうひとつの「マック」つまり前原田マクドナルド社長がこれまた社長を務めていたがアップルですが、こちらも「iMac」「Macbook」 という主力の高利益商品を、「ipod」「iphone」という、価格が半分以下の製品に侵食されています。
ただし、こちらはiphone/ipodに付随するサービス、つまり「iTunes Store」での収益があり、iphone/ipodが売れれば売れるほどそちらでお金が入ってくる、というビジネスモデルを築いていることが異なります。
しかもiTunesはサードパーティからのロイヤルティ収入をメインとしていますので、ハードウエアを売る時のように、設備投資や購買時の資本投下、前払い、倉庫保管費用といった負担が生じません。
また、iphone/ipodには、MacBookやiMacに比べると非常に大きな「アクセサリ」市場があり、こちらでもメーカーに「認証」を 与えることで、利権収入を得ることが出来る構造となっています。

ipod/iphoneの戦略は「パソコンを欲しい人を狙わない」ですが、「自社の安価な製品が、より高価・高利益な製品を侵食してしまった」構 図でも、マクドナルドとアップルでは大きく状況が異なり、実際の収益がそれを示しています。

「モノ」を売るか、「考え方」を売るか、という差のようにも思えますが(実際はもっと複雑ですが)、ある種の参考にはなるのかもしれません。

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